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自然は恐い   匿名 女性 53才
 3月25日の朝、私は台所のキッチンの前に、主人は居間で座椅子に座っていました。突然、「ドーン」と下から突き上げる音がし、その後小さな揺れから急に大きく早い揺れ、立っていることも逃げることもできませんでした。
始めは何が起きたか理解できず、ただその場にうずくまっていました。

 台所の食器棚は金具で固定してありましたが、無残にももぎ取られ、食器棚がまるごと食卓テーブルの上に崩れ落ち、戸のガラスが割れ、物が飛び散り、凄まじい物音に私は「ギャーッ!」と喚きうずくまることしかできませんでした。

 主人の座っていた真後ろにはサイドボードが倒れてきたのですが、ほんの10センチ足らずの差で頭に当たらずに済みました。ところが、居間の照明が振り回され、もぎちぎられて主人の頭に飛んできたのですが、かすり傷を負った程度ですんで良かったです。

 少し揺れが収まった時、台所のストーブに火が着いていたことに気付き、消そうとするのですが、立っている物が冷蔵庫ぐらいで、あらゆるものが散乱し、ほんの目の前にあるストーブにすら手が届かない状態でした。やっと手が届いたときには、ストーブの安全装置が作動したおかげで火は消えていました。13年前の神戸の震災、火の海の神戸が頭を過ぎりました。ストーブの安全装置が作動しなかったら、我家も燃えていたんだと思うとぞーっとしました。

 主人は廊下で「大丈夫かー。早ようこんかーい。何しとるー!!」と何回となく呼んでくれているんですが、なかなか物をどかせて出ることができませんでした。私はスリッパを履いていたおかげでガラスで足を切ることなく外に出ることができたのです。

 表玄関の戸が倒れ鴨居が今にも落ちてきそうにゆらゆらしていました。縁側の戸は全部外れ落ちていました。部屋の壁もあちらこちら落ちてしまい今まで見えなかった物が見えるようになり、部屋の戸の何枚かは菱形に変形し、ガラスはもちろん割れ落ちて枠だけ残り、畳が見えないくらい散乱していました。

 私の家は地震の3日前、3月22日に下水道工事の検査を受け、3月25日に地震に遭いました。廊下をすべて貼り替え、トイレも改築したばかりでした。本当にショックでした。

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